カンボジアの多くの学校では今でも美術の授業がないことをご存知でしょうか。 スナーダイ・クマエでは学校で触れる機会のない絵画の時間を2008年から施設の時間割に取り入れています。
カンボジアという言葉から、内戦、地雷などを連想する方も多いかもしれません。しかしながら子どもたちの描く世界は色彩豊かで、創造的なものになっています。 明るい未来を思い浮かばせてくれる子どもたちの絵画を日本にいる方々にも見ていただきたい、そして刻々と変化しているカンボジアという国の子どもたちの今の姿を知っていただきたいとの思いから日本での絵画展が始まりました。 絵画作品には子どもらしい視点と感性があふれています。絵画展の会場でそれを感じてもらうことで、私たちがどんな場所で生きているのかを知っていただくことができるのではないかと思っています。
そして子どもたちの描いた作品をもとにしたオリジナルグッズを販売することで、国からの支援がない運営費の一部とさせていただいていることも絵画展開催の意義といえます。 日本にいる支援者の皆さんに日本で直接子どもたちの成長を感じていただき、それ以外の方にもカンボジアに興味を持っていただく場として子どもたちの絵画展を開催しています。
関係者の皆様、ここをご覧くださっている皆様
いつも大変お世話になっております。
遅ればせながら今年の絵画展にも多数の方々に足を運んでいただきましたこと、心からお礼申し上げます。
東京、和歌山、神戸、そして講演会と併せて長野(飯田市)、愛知(大府市)の5会場にて約800名の皆様をお迎えすることができました。
10年前、東京・神戸で始めさせていただいたときは展示の仕方もよくわからず、ご来場の皆様のアドバイスやご要望をいただく形で少しずつ育てていただきました。
当初は募集していたボランティアの皆様に関しても、今では各会場の日程がでると自発的にご連絡をいただき、お手伝いいただけるようになったこともありがたく思っております。
また近年では講演会会場にて絵画展示やグッズ販売にご協力いただけることも増えてきております。
子どもたちの通う公立学校では10年前と変わらず美術の授業はありませんが、スナーダイ・クマエでは絵を描く時間を、「好きなものを自由に描く楽しさを子どもたちに」との思いで時間割に取り入れ続けています。
子どもたちの具体的なエピソードや細かい活動内容など、普段なかなかお伝えしきれない部分を会場で直接お話しできることは、私にとりましても幸せな時間です。
遠く離れた日本から子どもたちにいつもご支援や温かい思いを送ってくださる皆様に、スナーダイ・クマエの子どもたちの普段の様子や大きくなっていく姿をお伝えする場として、これからも絵画展を継続開催してゆきたいと思っております。
絵画展開催費用をご支援くださっている皆様、ボランティアでお手伝いくださる方々、そして会場に足を運んでくださる皆様に改めまして、心からお礼申し上げます。
2019年12月14日
児童養護施設 スナーダイ・クマエ
代表 メアス博子